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事務所にて。。。少年時代。。。プロローグ

2013 年 5 月 2 日

皆さん、お元気ですか?
いい季節になりましたね。
花粉症も落ち着いて来たので、ようやく春を満喫できます。
さて、このブログは僕専用にリニューアルしたこともあるので、連載でも書いてみようかなと思っています。
そう、僕の個人的な話を書いてみます。

第1話
「ジャンケン屁が出るブブッブー!ブブッブー!」
「ブブッブー!」
「やりー、勝ち!!」
これは、誰が考案したのか忘れてしまったが、たしか小学校4年生のころに流行ったジャンケンの掛け声だ。

1980年、東京の蒲田と言う下町に僕は生まれた。
家族構成は両親に兄が二人。そして、父方のおばあちゃんの6人家族。
父親は悪役俳優を生業とし、かなり特殊な家庭環境だった。
どんな風に特殊だったかは、書いて行くうちにエピソードが出てくるだろう。
僕の生まれ育った蒲田は、社会の授業で習った太平洋ベルトの一角、京浜工業地帯にあり多摩川を挟んだ川崎の隣町だ。
羽田、蒲田、川崎と言うと東京に住んでいる人たちからは、柄が悪いとか怖い町とか、行くと必ずかつあげに会うとまで言われてしまう町だった。
まぁ、実際に住んでいた僕からしても、お世辞にも上品な町とは言えない。
親父が空き巣常習犯で息子が万引き常習犯、絶対に近所を狙わないと言う暗黙のルールがあったから通報もされずに不思議と成り立っていた家族も居たし、金八先生の腐ったみかんシリーズは、隣の中学校がモデル校だと言う噂もあったし、僕が通っていた中学校では、よく廊下をバイクが走り抜けたし、教室にロケット花火が打ち込まれることもあった。週に何度かは警察がやって来て、どこからどう見ても中学生には見えない貫禄を持った先輩たちと睨み合うこともたまにあった。
噂によると、初のコンビニ強盗は蒲田で発生したなんて言う不名誉な噂もあったし、たまに見かけるギターケースにロンドンブーツを履いた長髪の風変わりな男性が、ギタリストのCharだったことは後から知って驚きだった。
夏になるとホームレス対僕らの公園の主導権争いもきまって勃発した。
こうやって文字にしてみると、本当にとんでもない町だな……と思ってしまうが、ここで暮らし育った僕としては、下町特有の人の温かさがあり、蒲田の町が全てで天国だった。
 そんな町の僕らの中心は、目蒲線(今は目黒線)沿いの小さな公園、3丁目公園だった。

「ウーウーウー!光化学スモッグ注意報が発令されました。屋外での遊びは控えてお家へ帰りましょう」
公害問題の最中で、夏の午後は毎日のように光化学スモッグ注意報が発令された。
相も変わらずに、この日もスピーカーから割れた音で注意報が流れると、小さい子供たちは母親に手を引かれ家へ帰っていった。
缶蹴り、ケイドロ、ドッチボールにキックベース、僕らはこの公園を隅々まで使って遊んでいたので、そうなると、公園は僕ら専用の遊び場と化す。
多少、喉が痛くなろうが、目がチカチカしようが、そんなことはお構いない。
公園を占拠し遊べることの方が僕らには重要だった。
「ジャンケン屁が出るブブッブー!ブブッブー!」
「ブブッブー!」
「やりー、勝ち!!」
ジャンケンに負けた奴が空き缶を足で抑えて、声高に数を数え始める。
みんなは散らばるように色んなところへ身を隠す中、僕はお決まりの茂みに隠れた。
僕は茂みの葉っぱの隙間から見える空を見上げるのがとても好きだった。
青空に浮かぶ夏特有の入道雲。
じっとその雲を見つめていると、僕の意識はどんどん雲に近づいていき、友達の嬌声も遠くなっていくように感じた。
僕の意識はいつのまにか、モクモクと立ち上る入道雲へと入っていく。
雲のベッドに横たわり、少しだけ千切って口へほお張ると、何故か入道雲は綿菓子の味がした。
僕は茂みに身を潜めながら、空想上で入道雲を自由に行きかう遊びが大好きで、ひとしきり雲の中で遊ぶと、缶を守っている鬼の隙をついて、一気に駆け寄り缶を蹴り上げた。
 甘いものが好きで、小遣いは全て駄菓子とアイスに消えて行った僕は、丸々と太っていて、きょうつけをするとオチンチンが膨らんだお腹で見えず、手首にはいつも輪ゴムをしているようなしわがあったくらいだ。
だが、足は速くて小学校の6年間、ずっとリレーの選手にも選ばれていたから、動ける明るいデブだった。
 必死に友達を探している鬼の隙をついて、缶を蹴り上げる。
青空に舞い上がる空き缶。
この3丁目公園、遊び場道路、駅前に続くアーケード、駅ビルの屋上。
多摩川の土手に広がる野球場。本門寺の裏山と力道山の銅像がある墓地。
とにかく、僕たちにとって蒲田の町の全てが遊びのフィールドで、いくらでも新しい遊びを思いつき、今では考えられないような危険なことも行っていた。
そんな、蒲田で繰り広げられた亀石家を中心にしたお話しを、これからか気が向いたときに書いて行きます。
では、また。

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