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‘龜石太夏匡’ カテゴリーのアーカイブ

朝の仕事場にて

2011 年 11 月 8 日 Comments off

朝の空気が少しだけひんやりと感じ始めました。
おはようございます。
冬が近付いてきましたね。

元気玉プロジェクトで発表させて頂いている「飯館村での卒業式」に、皆さんの支援が集まり始めています。
本当に感謝をしております。
多くの応援メッセージも、本当に有り難うございます。
その中で、子供たちのことを心配してくださり、この時期に線量が高い飯館村に子供たちを、一時的にせよ戻すのは問題があるのではないかとご意見をいただきました。
僕も最初はそう思いました。
福島と聞くだけで、何処か心に引っかかるものを過去に感じたこともあります。
最初に訪れる時は、少しだけ緊張をしたのも覚えています。
車で東北道を、ガイガーカウンターで小まめに線量を測りながら走りました。
それくらいに、神経質になっていました。
今回、実際に卒業式を行う場所は、隣町の川俣町になります。
ここには、多くの飯館村の方々も非難されていて、線量的に問題はありません。
我々も調べながら、色々と周らせてもらった中で確認もしました。
飯館村はホットスポットと呼ばれるだけあって、本当にそこだけが以上に高い線量を検知します。不運としか言いようがなく、当日の風向きだけのせいで村民の方々の一生を大きく変えることになってしまったのです。
その中で子供たちは、理解することもなく現状を受け入れるだけで、家を追われ友達とも離れ離れになってしまっているのです。
この社会を築き上げてきたのは、紛れも無い私たち大人です。
どの時代においても、子供たちに責任は一切ありません。
だから、今の私たち大人がやれることは問題を先送りにはせず、少しでもプラスに変える努力する姿を、子供たちに見せることが大事だ思っています。
それが、未来を変える手段の一つだと思っています。
きっと、私達の世代だけで変えることは難しいでしょう。
これから下の世代に受け継ぎ、未曾有の災害に対する心構えと、人間の手で作り出してしまった社会的脅威を払拭する道に進んで行かなければなりません。
今の子供たちが大人になったとき、一人でも多くそのときの問題を自分たちの責任であると認識し、嘆くだけでなく少しでも解決していける、そんな、大人たちが増える社会を作れるのは、今を生きる私たち大人だけだと思います。
震災、原発問題、絶対に風化させてはいけません。
だから、この飯館村の卒業式はみんなの手と力で形にしないといけないと思っています。
飯館村に廣瀬教育長と言う素晴らしい大人が居ます。
現実と向き合い、それでも諦めずに必死に前を向いて、明るく厳しく村民の方々を引っ張っています。
世代を超えて心で繋がり、行動をすることが出来ます。
僕はリバースの副代表として、一人の大人として、やれることを全力でやってます。

と、カッコイイことを言ってしまったが、実際はリバースメンバーに助けられっぱなしの、情けなーい副代表ですけどね!
では、また。

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仕事場にて、久しぶりの日記

2011 年 11 月 7 日 Comments off

皆さん、お元気ですか?
僕は元気にやってます!
ブログを書くことが本当に久しぶりになってしまいました。

先日、東京国際映画祭で「セイジ-陸の魚-」のプレミア上映が行われました。
映画祭で初上映されたことは制作者にとって、これほど光栄なことは無い。
今までの宣伝活動は友介と僕だけだったのが、森山未来君や西島秀俊さんが参加したのを見て、改めて映画が走り始めたのだなと実感し、心にこみ上げてくるのがありました。
永遠に感じられた待ちの時間と、戦場のような現場の記憶。
大変なことが多かったけど、その全てが希望の光の粒子となって、心の奥へ溶け込んで行ったのを感じました。
だいぶ前のブログで(かなり前だけど…)、達成感の話しを書いた記憶があります。
僕は人が成長するための一つに、いちいち達成感を味わうべきだと思っています。
長年時間を掛けて作り上げた映画が完成すれば、それは達成感があることは容易に想像がつきます。
だけど、よく考えてみると日常の中に達成感は度々訪れる。
僕の場合は、部屋の掃除を終えたときや、ジョギングで目標の距離を走りぬけたとき。
一日の仕事を終えて最高のビールを飲むときや、エレベーターを使わずに階段を使ったとき…など。
そうやって、一日の中には自分で課してみると様々な達成感を味わうことが出来ます。
そのささやかな達成感こそが大事で、それを自分の中で意識的に味わうことが大切なんだと思っています。
人は誰でも褒められると嬉しい。だけど、なかなか褒めてくれることは少ない。
だからこそ、何かを達成したときこそ、そこを意識し自分で自分を褒めてあげると良い。
言葉に出してみると、改めて達成感を感じることが出来るしね。
僕はね、結構大変だな…と思うときはこれを意識的にやっています。
そうすると、自分の心の中に喜びが生まれて来て、意識も前向きに変わって行きますよ。

僕がセイジの原作と出会ったのが、もう6年以上も前になります。
カクトの脚本を書いただけの駆け出しの僕に、知人のプロデューサーから原作を渡されたのがきっかけだった。
ページを捲ると、そこには、漠然とだが僕が抱えていた未来に対し危惧、失われつつある人が生きると言う物事の本質が描かれていました。
未来に対し何も恐れることは無いと言った無謀な強さを持ち、可能性を体中に充満させた友介が「カクト」に続いて監督をするべき作品は、直感で「セイジ」なんだと僕は強く思いました。
難しい作品だけに「カクト」から8年の時間が掛かってしまいました。
だからこそ、この達成感はけっこうぐっと来た!!
次は公開の時かな!
とにかく、そのために足を止めないし、階段も上りきるつもりです。
では、また。

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会社にて・・・

2011 年 8 月 15 日 Comments off

皆さん、ご無沙汰しております。

お元気にしていますでしょうか?

最近はツイッターが支流になりブログは脇へ追いやられておりますが、いやいや、リバースブログは今だ健在と言うところを、これからはメンバー一同で盛り上げて行きたいなと思っています。

さて、ご覧になった皆様はお気づきかと思われますが、リバースプロジェクトのHPがリニューアルしました!!(拍手!)

今後は、リバースプロジェクトの様々な企画や、個人の思いなどをより詳しくお知らせしますので、たまにはチェックしてくださいね!

どうぞ、よろしくお願い致します。

最近の僕は・・・

もう、無理かも・・・と思ったときに、少しだけ頑張ってみる。ほんの少し・・・

これを心がけています。

暑い日が続きますが、どうぞ、熱中症などにはくれぐれも気をつけて下さい。

では、また。                      龜石太夏匡

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幸せのリング

2011 年 4 月 27 日 Comments off

皆さん、お元気ですか?

リバースプロジェクトで作ったオブジェです。

先週の土曜日にオープンした、イオン・越谷レイクタウンアウトレットに置かれています。

幸せをいっぱい詰めました。

大切な人と手をつないでくぐってみて下さい!

夕日の時間がお勧めです!

では、また。

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みなさまへ

2011 年 3 月 15 日 Comments off

言葉が見つかりませんでした。
怖くて逃げていました。
すみません。
本当に、すませんでした。

でも、もう逃げません。

嘆いたりもしません。
未来に向かって、自分が出来ることを全力でやります。
絶対にこの国は駄目になりません。
力強く立ち上がります。
そのために、僕たちは力を合わせて、全力で一緒に立ち向かって行きます。
すでに、多くの人達が一つになって何かをやろうとしています。
世界中の人達が、救おうと必死になっています。
人の良心が一つになろうとしています。
信じます。
皆が今に対して絶対に逃げないで、一生懸命に挑める強い心を持つことを。
被害にあわれた方々は、どうか、くれぐれも今の御身体を大切にしてください。
救済に携わっている方々は、どうか、無事でいてください。

そして、一人でも多くの人命を救えることを、心から祈ってます。
リバースとしても、やれることを必死に捜しています。

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週末、自分の部屋にて。

2011 年 2 月 5 日 Comments off

皆さん、お元気ですか?
少し暖かくなってきましたね。
太陽が気持ちいい!
でも、今年の花粉は多いようで・・・少し心配です。

昨日、ギフトショーを終えました。
多くの来場者の皆様、そして、関係者の皆様、本当にお世話になりました。
リバースプロジェクトにとっても、とても良い経験となることが出来ました。
心から感謝をしています。
セミナーでは、拙い僕の話しを聞いてくれて有難うございます。
僕が普段、どんなことを考えてリバースに向かっているか、少しだけ話せたように思えます。
生きることと、生かされていることの意味は違います。
僕は生かされていることをなるべく意識して日々を送るようにしています。
そうすると、全てにおいて感謝をしなければいけない。
ああやって、セミナーで話すことが出来ることも、こうやって、朝日を浴びることが出来ることも、全て自分以外の世界があるからだと思っています。
だからこそ、自分が出来ることで、少しでも還元が出来ればと思っています。

明日からボリビアに行ってきます。
次の映画へ一歩を踏み出すためです。
まだまだ、何があるかわからないけど、精一杯、自分がやれることをやってきます。
未来は、一日一日の積み重ねでやってきます。
だから、今日一日を精一杯、なるべく自分に言い訳することのないようにして行きます。
生かされていることを意識して、自分が持てる限りの想像力と愛情を用いて、日々に向かっていきます。
では、皆さんが素晴らしい週末を過ごせますように。
アディオス!

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事務所にて。1月14日 

2011 年 1 月 14 日 Comments off

やっぱり、太陽の陽射しは気持ちがいい。
サッカーのおかげで少し寝不足気味の僕に元気を与えてくれた。
しかし、昨夜は盛り上がったな。
「うわー!」とか「うおー!」とか、一喜一憂してね。
遠く離れたところで、日本人が国を背負って戦う姿には勇気をもらえる。
数的に不利な状況に陥っても、諦めずに勝ち点を取りに行くその姿。
仲間を信頼して、声を掛け合い、前を向いて走る姿がとても誇らしかった。
アウェーの地で戦うと、どうしても自国のチームに贔屓目が出てしまうのをよく目にする。
でも、日本で日本チームが戦う時に日本の審判は、どちらかに肩入れするようなことは無いと思うんだ(贔屓目かもしれないけど、僕にはそう見える)。
凄く平等に毅然とジャッジをしているように見える。
それは、当たり前でなくてはいけなくて、とても素晴らしいことで、僕たちはそう言った価値観をすでに身につけているのではないかな。
自分たちだけが良ければいいと言う価値観は、もう全時代的な考えだからね。
僕たちの国が、僕たちが、この当たり前な価値観を信じてどんどん前に出して行こう。
プライドを持って、混迷している社会に対して毅然とジャッジをして行こう。
駄目なことは駄目!そして、素晴らしいことは素晴らしいと!!
気付きって色んなところにあるね。
昨夜はサッカーが教えてくれました。

ありがとう。

では、また。

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事務所にて。2011年

2011 年 1 月 12 日 Comments off

皆さんお元気ですか?
寒さが厳しい毎日が続きますが、風邪などひいていませんか?
新年のご挨拶が遅くなって、すみません。

あけましておめでとうございます。
本年もどうぞ、宜しくお願い致します。

あっという間に、2011年がスタートしてしまいましたね。
もう少し、ゆっくりしたかったのに・・・と言うのが本音でしょう。
僕は次の映画の脚本作りが始まったので、そんなにお正月気分にも浸れずに、ああでもないこうでもいないと頭を悩ませていました。
でも、31日、1日と横浜の実家に戻り、久しぶりに家族が大集合し温かい時間を過ごせました。紅白で伊勢谷代表の勇姿も見れたしね!(タキシード姿が決まっていた)
今年は、個人では映画「セイジ」の公開、新作映画の準備と更にチャレンジをして行きます。リバースに関しては、僕は責任者と言う立場で、少しでも明るい未来のために身を捧げる覚悟でいます。
身を捧げると言うと大げさに聞こえますが、それぐらいの覚悟で挑むと言うことです。
特に2011年、2012年の2年は自分にとっても、皆さんにとってもとても重要な年になるでしょう。
今の社会を少しだけ客観的に見て下さい。
様々な問題は、実は自分と直結しているように感じませんか?
最近良く耳にするサスティナブルと言う言葉があります。
「維持、継続して行く」と言う意味です。
僕たちの役割は、未来に対してきちんと社会を継続させていくことしかないように思ってます。それは、大きなことでは無くて、自分が好きなことを少しだけ掘り下げて、想像力を使って、何か出来ることを探すのです。
見つからないと嘆きそうになるときは、自分の祖先や信じている神様に感謝をすることから始めれば良いと思います。
僕は宗教に属してはいないが、神の存在は信じています。
神も悪魔も自分の中に介在していると思っています。
だから、1日の僅かな時間でもいいから、「神」心の善の部分に意識を向けるのです。
自分が存在していることに感謝をすることから始めるのです。
朝起きて、1分でもいいから目を閉じて、心の中で大切な故人や自分の中にいる神様を思い浮かべ、感謝をするのです。
すると、何処か温かい気持ちになっている自分を感じます。
そうやって、少しずつ凝り固まった心を和らげてあげるのです。
そして、「おはよう!」と笑顔で身近にいる人に声を掛けてみる。
意外とそれだけのことでも、何処か心が軽くなるのを感じます。
心が軽くなると、自分の中の善の部分が光り始めるのに気付きますよ。
さぁ、新たな年が始まりました。
昨日までの自分はもう過去。
新しい自分が笑顔でそこで待っています。
いっぱい本を読んで、いい映画を観て、スポーツに感動し、うんとたくさん心の財産を増やして、人との出会いに感謝をして、自分を好きになって、ポケットに溢れるほどの愛情を詰め込んでドアを開けて外に飛び出しましょう!

「人生は本当は素晴らしいんだ」と、そう口ずさんで・・・
では、また。

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日曜の夕下がり

2009 年 12 月 16 日 コメント 16 件

寒波到来のニュース!
まさに、冬将軍がやって来た感じですね。
みなさん、風邪などひいてませんか?
先日、僕は家を出るとき、鍵を忘れたことに気付いて、慌てて戻ろうと履いていたブーツを脱ぐその瞬間!左のふくらはぎを思いっきりつってしまいました。
全身に走る激痛!
一人で玄関でのた打ち回り、完全に脱げていないブーツを脱ぐのに永遠の時間が感じられる。そして、ランボーばりの声を上げてブーツを脱ぎ捨てる。
「うぉぉぉーーー!!!」(ランボーが自分でナイフを抜くときみたいな声ね)
寒さで体が縮こまっているから、気をつけようねと言う話しでした。ちゃんとストレッチしようねと言う話しでした。

さて、ブーツを履き直し、少しだけ足を引きずりながら、写真展に行って来た。恵比寿の写真美術館でやっていた、セバスチャン・サルガド展。

写真展
アフリカの自然を撮り続け、紛争や自然災害で住んでるところを追われて難民となった人々を撮り続けた凄い写真家だ。
最終日と言うこともあり、多くの人で賑っていたが、写真は素晴らしかった。
極限の環境の中に生きるアフリカの人達の尊厳に満ちた顔。
僕は釘付けになってしまった。
裸足で、裸同然で母親に手を引かれ、砂漠を渡る少女。
民族間の紛争で両親の命を眼の前で奪われた少年。
それでも、生きて行く目の輝きはちゃんとフィルムに残っていた。
1960年代から現在までの写真の数々。
僕は改めて、いまこの瞬間に起きている事実に打ちのめされた。僕らが出来ることは、起きている事実を知ることだし、本を読むことだし、写真や映像をみることで、それを伝えることだ。それは、僕らが今を生きることに繋がることだと改めて思った。

外に出て、煙草を吸いながら考えた。

僕らが生きる日本では、何が起きているか?

餓死をすることは殆ど無いこの国で。

年間3万人、日にすると100人の自殺者がいる。

それほどに追い詰められているこの現状。

経済に追い詰められ、精神的に肉体的に追い詰められ、きっと行き場が無くなって自ら命を絶つ。

僕はアフリカの現状を見ながら、改めて日本を思った。

命を絶ちたくなる心情は理解が出来ないとは言えない。

誰しも心の中に言えない苦しみを抱いて日々生きている。

綺麗ごとだけでは言い尽くせないこともある。

僕も不安で胸が締め付けられ、眠れない夜を幾つも超えてきた。

これからも、そんな夜はきっとあるだろう。

弱音を吐くこともあるだろう。

でも、諦めずに進んで来て良かったと思えることがたくさんある。

そんなことを感じながら、ノーマンズランドへと向かった。写真展1

人生は山あり谷あり。

なるべく、気持ちを吐き出して、多くの人の話しを聞いて、話して、色んな世界を見て、読んで、たくさん心の財産を増やすことだ。

それは、誰にも盗まれない、自分だけの財産。

では、また。

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丁稚奉公

2009 年 11 月 2 日 コメント 27 件

昨晩、友人でもあり人生の先輩でもある素敵なカップルと食事をした。
その会話の中で、ヨウジヤマモト(洋服ブランド)が経営破綻をしたと聞かされた。
ヨウジヤマモトと言えば、日本を代表するブランドで、素晴らしい才能を持ったデザイナーである。彼が作る洋服は、デザインもさることながら、素材、ディティール、シルエットも素晴らしく、時代に関係なく何年も着れる洋服だ。
そんなブランドが事実上、何処かの投資会社に買収されてしまった。
僕はこの話しを聞いた時に、単純に世の中の移り変わりだな……とは思えなかった。
今のファッションの世界を見ていて、この先がとても不安になる。
安価なものばかりがクローズアップされて、それを皆が並んでも手にしようとしている。
実際に手にしてみると分かるが、デザインは上辺だけで、クオリティも悪くワンシーズン着たら、終わってしまうそんな洋服ばかりのような気がする。
本来のブランドとは、デザイナー達が必死にアイディアを振り絞り、才能を結集したものをコレクションとして打ち出し行くのがブランドと呼ばれるものなのだ。
そのアイディアだけを、上手く取り入れ大量生産し、底値が見えないほど安い価格帯で店頭に並べている。
一言でこれは悪いことだとは言えない。安いもので助かることも勿論ある。
だが、こもまま安さだけを求めて行っても良いのであろうか。
安い物だけを大量に作り続けていったら、今まで以上に物だけが増える世の中になる。
小林秀雄と言う、天才の評論家がいた。
彼が書いた評論文の中に「丁稚奉公(でっちぼうこう)」と言う話しがある。
ある、骨董品屋に来た丁稚奉公に、最初の仕事で、その店で一番高価な骨董品を扱わせる。
本来ならば、慣れていないそんな小僧にそんな高価な品物をと思うが、この主人の言葉が素晴らしい。最初に本物を扱わせると、丁稚小僧が大人になった時に、本物と贋作を見分ける眼を養うと言うのだ。
いかに本物を見分けるのが、骨董品屋の本質である。
これは、今の世の中に生きて行く我々にもとても重要なことだと思う。
本物の絵画を見る。本物の映画を観る。本物の洋服に袖を通す。
あまりに安価で、使い捨ての物ばかりに囲まれていると、本物と出会った時にその本当の価値を見出せなくなるのではないかと思う。
これは、物だけでなく、人と出会った時にも同じことが言える気がする。
自分にとって、本当に必要な人物なのか?
それは、丁稚小僧が大人になった時に、本物を見極める眼を養っていないと、贋作を捉まされ大損をするのと一緒で、本物を見極められないと、人生に於いて大損をする可能性が出てくるのである。
これは、高い服を買えと言うことではない。自分にとって本当に価値のあるものを見極める眼を養わなければいけないと思うのだ。
僕のクローゼットにも、安い単価で買った洋服は掛かっている。
でも、やはりここ一番で活躍するワードローブは、昔に少し無理をしてでも買った自分が欲しいと思った洋服だ。
この洋服達は、時代を超えて僕に自信を与えてくれる洋服達だ。
安さだけを追い求める時代の先に一体何が待っているのだろう?
不必要な物で溢れ、身動きが取れなくなってしまう世界が待っているのであろうか?
エンターティメントなんて必要無いなんて言われる時代が来るのだろうか?
僕は思う。
文化が廃れれば、人の心が荒廃してしまうのではないかと……
うーむ。

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